番外編・思わぬ要求

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「何か欲しいのか」  ああ、この場に健介がいなくて本当に良かった。  孝大のそわそわとした様子がこの身にうつっちまったからな。見られたらば絶対にからかわれるに決まってる。  まだ寒い。吐く息は白いのに……顔が熱いのは―― 「お前を抱く」 「は!?」  驚愕に身体が硬直したぞ。  いや、俺だってそういうことを想像したことが無いわけじゃあない。そりゃあ、つ、付き合っているのだからさぁ。しかしだ。  どうして俺が抱かれる方だと勝手に決められているのか。  顔を覗き込まれた。 「明日、いいか?」  いいわけあるか。 「そ、それはまだ早いんじゃあないか?」  頬がひきつったぞ。
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