番外編・思わぬ要求

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 学校からの帰り道で、隣を歩いていた孝大が突然足を止めた。つられて自分も歩みを止める。 「明日、バレンタインだな」 「まぁそうだなぁ」  喧嘩売ってんのか。バレンタインなんぞ、モテない俺や健介にとっては何の関係も無い。 「俺は甘いものが苦手だ」 「奇遇だな、俺もだ」  と、歩き出そうとしたのだが、どうして腕を掴んでくるのか。 「しかし明日はバレンタインだ」 「それがどうかしたのかよ」  首を傾げてしまう。  腕を引っ張られた。  電柱の陰へ移動してゆくその後ろを歩かされる。 「そして、明日はバレンタインだ」  だからそれが何だっていうんだ――って、もしかしてこいつ。
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