番外編・思わぬ要求

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「そういえばどこでやるんだよ。お前も俺も実家暮らしだろ。家に家族がいる状態でやるのはさすがに嫌だぞ」  孝大の身体が離れていった。 「ホテルへ行けばいい」 「や、未成年なんだからラブホはちょっと……補導されたら終わりだし――って、お前もしかして行ったことあるのか?」 「ラブホテルへは行ったことがない。そうではなく、ビジネスホテルに一泊するということだ」 「ああ、それなら親に許可もらえば何とか……はぁ!? そんな金どこにあるっていうんだよ」  日々金欠の俺をなめるなよ。  しかしこいつ、手慣れてんな。今まで相当経験を――むしゃくしゃするから考えるな。そう、苛立っても過去は変わらないし、変えられないんだ。不毛なことをしてどうする。  目の前で、にやっと不敵な笑みを見せられてもなぁ。 「俺がおごる。俺からの提案だし、な」  おお。さすが男前は言うことが違う。
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