第五章―思わぬ誤算―

2/23
1396人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
 考大から思わぬ視線を受けて四日が経過した。  気がついたら女子達より受ける態度が軟化しており――孝大が何か対処をしたのだろう。こうまで、あいつの一挙一動で世界が変わるのだとは。流石に評価を上げざるを得まい。  でもって苛立つのは健介の態度だ。常に孝大より投げかけられる視線へ、健介のものまで混ざりやがった。あの阿呆のことだから絶対に面白がっている。  孝大へ目を向けた後、にやにやと笑みを浮かべながら振り返ってくる。そんな阿呆の椅子の下を強く蹴り上げることが日課となりつつあった。  そのうち俺の脳は熱くなり過ぎて、血管でも切れるんじゃあねぇだろうな。
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!