空の向こう

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どうやら人は生まれ変わるらしい。 僕は、あの空の向こうからやって来たんだ。 2013年8月。 学校が夏休みに入り、結衣が入院している病院に毎日通った。 病状は日に日に悪化していく。 医師から移植以外に救える道は無いと告げられて3ヵ月が経つ。 ドナーが現れるのを待つ毎日。ふと消えて無くなりそうな望みを必死に繋げていた。 窓の外が見たいと言うので、身体を支えてベッドの際に座らせた。 プール帰りの小学生が、じゃれあいながら歩いている。 「もう夏なんだね。こんなところにいると、季節もよくわかんなくなっちゃった」 「プール行きたいなぁ」 「うん、行こ。来年は必ず」 結衣が微笑む、それから僕を見た。 「遥汰はみんなと行って来たら?」 今の状況を彼女自身理解している。 泣いて、わがままでも言ってくれた方がずっといい。 気丈に振る舞われて、僕の方が先に折れそうだ。 けれど、それだけは出来ない。 穏やかさを装ってはいたが、心の中では嵐が吹き荒れていた。 支える柱も、もう何本も残っちゃいない。
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