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『7月1日』
ここ2、3日、はじめの頃の高揚した気分も静まって、陸の世界が懐かしくなってきていた。時々母艦や他の小型船と連絡を取り合う以外これといった会話もない。どちらかというと無口な私だが、他に誰もいない静けさというのは寂しいものだ。特に朝は寂しい。妻は毎日大変騒がしく僕を起こしに来る。「朝だぞ?」なんて言いながら、ベッドにダイブしてきて、僕の頬をむにむにつねるのだ。私が目を開くと、鼻がぶつかりそうなほど近くに妻の顔がある。その満面の笑みにどれほど癒されたことか。その笑顔を見られるのはまだ1ヶ月は先になる。長い1ヶ月になりそうだ。
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