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「亜希おはよう。
それと紗枝、朝早くから
亜希を迎えに行ってくれて
ありがとうな」
かけられた言葉には
やっとの思いで小さく頷いた。
「それと後藤先生に
お願いしてみたら
外出許可を出して貰えた。
3人でどこか遊びに行こう」
「えっ?本当?!」
嬉しそうに笑う亜希ちゃんの
姿を目を細めて見つめる孝之。
その瞳が再び私に向けられて
彼は想像もしていなかった
現実を言葉に出した。
「これが…
俺達3人の最後の家族ごっこだ。
だから紗枝、この2日間は
亜希の母親でいてあげて」
何も言えなくなった私の横で
亜希ちゃんは曇る事のない
笑顔を私に向けている…。
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