別れの時

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「紗枝さん、いっぱい 想い出作ろうね!」 無邪気な言葉を 私にくれる亜希ちゃんの姿に また目頭が熱くなった。 彼女は…全て分かっていた。 それなのにこうして 私との関係を何ひとつ 崩す事無く笑顔で 接してくれている…。 何故亜希ちゃんは こんなにも大人な対応を 出来るのだろう。 そんな私の疑問を 全て分かっているかのように 孝之はその言葉を告げた。 「亜希はね… 紗枝に感謝してるんだって。 一晩中抱きしめて眠ってくれた 紗枝のおかげで、 美幸の思いをやっと理解 出来たそうだよ。 紗枝に抱きしめて貰った事で 自分が眠っている時に 同じような温もりをいつも 感じていた事に気付けた。 そうだよな、亜希?」 孝之の問いかけに 亜希ちゃんはニコリと笑って 頷いた。
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