迷宮の主 召喚

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――――――――――――――― 【???side】 ―――暗黒の森と呼ばれる森の最奥地、その場所にあるダンジョンの最下層にて、玉座に腰かける黒髪黒眼の男がいた。 その男は、全身に黒一式の衣を纏い、膨大な禍々しい魔力と共に深い闇を周囲へと放ちながら、静かに目を閉じている。 さらに、その男の傍らには、炎髪灼眼の美しい女が顔を伏せ、静かに控えている。 彼女もまた、その男には及ばずながらも、常人を逸した膨大な魔力を惜し気もなく放っていた。 そして、男は深い眠りから覚めたように、ゆっくりと目を開き、自身の体、自身が座る玉座、傍らに控える炎髪灼眼の美女、自身のいる一室を順番に見渡していく。 男「……これは、何だ?」 玉座に座る男……詩音は、見覚えのない景色に、僅かに困惑の表情を浮かべる。 詩音の覚醒に気付いた炎髪灼眼の美女は、詩音の傍らから離れて玉座の前に跪き、詩音に対して最高礼を取る。 女「……おはようございます、ご主人様。お目覚めをお待ちしておりました」 詩音「…ご主人様?…それは、俺のことか?」 女「はい、その通りでございます。ご主人様はこの迷宮の主、ダンジョンマスターです」 ―――――――――――――――
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