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迷宮、ダンジョンマスター……その単語を聞き、詩音はいつの間にか自身の中にある知識(情報)で今の状況を瞬時に理解する。
………そうか。
―――昨日までは、元いた世界で極々平和に毎日過ごしていたのだが、どうやらそんな平穏で退屈だが、幸せだった生活はもう終わってしまったようだ。
俺は選ばれてしまったのだ。
この迷宮の頂点に立つ者にして、人類の敵。
迷宮の主【ダンジョンマスター】に。
―――まずはこれからやるべきことや情報を纏めなければならないな。
俺はそう思考を巡らすと、目の前に跪く炎髪の女性に目を向け、口を開く。
詩音「……そういえばまだ名前を聞いていなかったな。…名は何と言う?」
女「はっ、私の名はエクリアと申します」
詩音「…そうか。では、エクリア。お前に聞きたいことがある。……俺の知識の中に、新しく召喚されたダンジョンマスターにはその迷宮ごとに補佐を勤める魔族が居るとある。…この知識は正しいか?」
エクリア「はい。ご主人様の中にあるダンジョンに関する知識、この世界の知識などは全て正しく入れられているはずでございます。…そして、ご主人様の補佐は僭越ながら私が絶対の忠誠を持って勤めさせていただきます。ご主人様のような偉大な御方の補佐を勤めさせていただくこと、誠に身に余る光栄に思います!!」
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