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月が今夜もアパートにやって来るという事もあり、改札を通り抜けた私は近所の小さなスーパーへ向かった。
今晩こそは、一生懸命作った手料理を食べてほしいと思ったのだ。
あ……!
でもその前に、洗濯や掃除をちゃんとしておきたい。
だらしのない女だなんて、これ以上思われたくない。
……そう思い直した私は、駅から近い自分のアパートへ駆け足で戻った。
―――…
でもアパートへ戻ると、見覚えのある一台の車が駐車されてるのを見て、身体全身に凍りつくような冷たさが走るのが分かった。
……アウディだ。
その車の持ち主の桜さんは、いつものように車を背にタバコを吸っていた。
逃げなきゃっ!
また逃げ出すの?
逃げるだけでは何も解決しないでしょう!?
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