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「なにか思い当たることはありませんか?」
それを聞いてちょっと確信が持てた。
僕は思いきってきいてみた。
「それってオレンジ色の髪に、薄い色のワンピースを着ていた子のことですか?」
これを言ったあと、
突然、柳田さんの表情が変わった。
「その子を見たのかい?」
「はい。 昨日の授業中にちょっと外を見たらたまたま」
「本当か! ならもう一つ聞いてもいいかい?」
「どうぞ」
「皐月くんは、この前の超能力検査でエラーが出たって本当?」
「本当ですよ。 3回ぐらい検査したんですけど」
「やっぱり本当なんだ。 それなら」
そう言うと、柳田さんは今度は母の方を向いて、なにかを決心したかのように
「実は、皐月くんはかなり強力な能力者の可能性があります」
そう告げた。
この言葉には僕も、母も驚きを隠せなかった。
しばらくして母が口を開いた。
「息子が、皐月は超能力者なんですか?」
「まだ決まったわけではありませんが、可能性としては高いと思います」
可能性は高い、その言葉を聞いた母はまた黙ってしまった。
「ただ、まだ詳しく検査してないので、検査に来てもらえませんか?」
沈黙を破って柳田さんは言った。
その後も、もう少し詳しく話を聞いたあと、
とりあえず検査を受ける事にした。
ただ、高レベルの可能性があるという事で、今から行かなければならないらしい。
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