第一章 ~ 僕の能力 ~

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話が終わった時には、既に6時を過ぎていた。 僕と母はこれから出掛けるということを 父に伝えてから、 出掛ける用意をした。 検査には時間がかかる可能性もあり、 帰宅も数日後になるかもしれないらしい。 そう言われていたので、 ちょっと多めの荷物になった。 一通り準備を終えてから家を出た。 先に柳田さんは車にいって待っていた。 僕たちは荷物を後ろに入れてから 車に乗り込んだ。 車の中はサードシートがはずされて荷物置きになっていた。 車に乗るとどうしても、中を見回してしまう。 僕たちが乗ったのを確認して、 柳田さんは車を出した。 時計は7時を指していた。 行き先は、NEXAの本部だそうだ。 なんでも、国内で最も高性能の 超能力検査機があるらしい。 ところで、NEXAの本部はどこにあるのだろうか? 結構重要なところを聞いていなかった。 柳田さんに聞いてみた。 「本部? 静岡県だよ。 静岡県御殿場市」 「御殿場市、えっと、静岡のどの辺で?」 「そうだなぁ、富士山の近くかな」 富士山の近く。 今から行くところが、 以外に遠い事を今知った僕と母だった。 時間にして3時間半程度。 しかし、 この時まだ僕らは、 自分達の運の無さに気づいていなかった......
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