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柳田さんはまだこっちを見ている。
僕は気にせずに、一つ聞いて見た。
「あのー、人が多いって僕まだ柳田さん以外の人と会ってないんですけど」
「そりゃそうだよ」
えーっと、なにが?
「ここはまだオープン前だからね」
「柳田さん。 ここって何時オープンなんでしょうか?」
「ここ? 11時だけど」
あ~、11時ですかぁ
〔今は9時半なんですけど〕
そうそう、今は9時半。
すると、
柳田さんはなにかに気づいたのか
「あぁ、時間なら気にしないでもいいよ。 曲外の人がいるときは朝も使えるから」
〔そういう事は早く言ってほしいものである〕
そうそう。
なら、早く入ればいいのに。
そう思っていると、
ポーンと音が鳴って
エレベーターのドアが開いた。
そこには母がいた。
本気で母の存在を忘れていた。
「おっ! 来たね。 それじゃあ入ろうか」
そう柳田さんが言って、僕等は食堂に入っていった。
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