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石尊山から下山する途中、血の池、血の滝、座禅屈(ざぜんくつ)という観光スポットも巡り、写真に収めた。
登山道の入口まで戻ってきた頃には、既に正午を回っていた。浅間山に比べれば、石尊山は低いとは言え、短時間で往復したので、足腰がくたびれた。
そして、何よりも腹が減った。
登山道から近くにある追分宿(おいわけしゅく)の蕎麦屋に行って、生粉の手打ちざる蕎麦を食べた。
食後に、爪楊枝で食い滓を取りながら蕎麦湯を飲んだ。腹拵えは、十分に済んだが、なかなか重い腰が上がらなかった。
登山の疲労と満腹感で眠くなったが、気合を入れ直して、次の撮影場所である追分宿を歩いて撮影した。
かつての中仙道と北国街道の分岐点に立っている『分去れの碑』を撮影し、中山道69次資料館に入り、館内を見学した。
その後は、江戸時代の宿場街の面影を残す『枡形の茶屋』や『油屋旅館』を巡り歩き、軽井沢を舞台にした小説『美しい村』で有名な『堀辰雄の文学館』や、分節発祥の地である追分宿の歴史を展示した『郷土資料館』などを訪ね歩いて、撮影した。
追分宿の撮影を終えてから、茶屋に入って追分だんごを食べて一休みした。疲れた体に鞭打って、信濃追分駅へと続く道を歩いた。
高い緑樹に囲まれた別荘が点在していて、木漏れ日が美しく、囀(さえず)る野鳥の声も清々(すがすが)しかった。
信濃追分駅の先に、借宿(かりやど)という昔ながら集落があった。
薄暗い別荘地とは打って変わって、陽光が溢(あふ)れて、明るかった。
家々の周りには、トウモロコシや蕎麦(そば)、レタスやキャベツなどの畑が広がっていた。
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