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「悪ぃな、稔麿が。
あんだけ脅されるなんて、年頃の女子にはちと辛かっただろ。」
高杉さんはそう言って、河原に座った。
ああ、だからいきなり私を連れ出した…いや、連れ出してくれたのか。
高杉さんにとってだって、私は怪しい奴なのに…
高杉さんの優しいが、嬉しかった。
私も高杉さんの隣に座り、一つ小さく深呼吸をする。
よし、言おう。
私がどうして幕末に来たいと思ったのか。
私はそう、決心した。
「高杉さん…私がこの時代に来たいと思った理由、お話しますね。」
斜め下の方にある川を見つめながら、私は話をきりだした。
高杉さんの反応が怖くて…高杉さんの顔は、見れなかった。
「高杉さんや吉田さん達、そして…新選組の人達。
この時代に生きる人達の、
未来を変えたくて、
幸せになってもらいたくて、
この時代に来たいと願いました。」
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