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その瞬間。
「マーマ?」
月優があどけない表情で、私の顔を覗き込んできた。
こんなんじゃ駄目よね。
月の言い分も聞いてあげなきゃ。
私達は色々苦しんで、やっと幸せになれたんだもの。
この幸せは誰にも壊されたくないの。
「月優、今日はおばぁちゃんと一緒に寝てくれる? ママねパパと大事な話があるのよ! いい子だから分かるわね?」
月優は幼いながらも私の言葉をちゃんと理解してくれたのか、小さな首を縦に振った。
「つゆ、ばぁばといっしょにねりゅ」
「いい子ね」
そういえば夏休みに雪が来た時、雪は私と月に大事な話があるからと言って、やって来たのよね。
結局その話の事なんか忘れて、一緒に楽しく過ごしてたけど……。
大事な話だったのかしら?
今度雪に電話をしてみようかな。
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