ブラックホール

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……月は茶髪の方が似合うけど、医学生はあまり染めてる人いないんじゃないの? それに学生のうちからこんなに大変だと、医者になったらもっと大変よね? 最近そんな不安ばかりが胸を締め付ける。 医者なんかにならなくていい……。 普通の公務員かサラリーマンでいい。 私がそんな事を思っているなんて、月は知らないだろう。 「……何、もう寝るの?」 月がこちらを見ようともせず、背中越しの私に突如そう声をかけてきた。 顔を見たいけど、勉強の邪魔はしたくない。 でもやっぱり甘えたい。 結婚したけど、月は未だ学生なのだ。 月が学校に行っている間、私は不安で押しつぶされそうになる。
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