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月には月の生活があって、大学に友達も出来て、たまに電話だってかかってくる。
月専用の携帯だから、相手が誰なのかも分からないし、結婚指輪だって、“無くすから”って、そんな理由で大学にはしていかない。
……もしかしたら、他に気になる人でも出来たの?
あまりに早く結婚して子供も出来て、後悔しているの?
……分からない。
家で主婦だけやっていると、私には分からないの。
月の考えてる事も、月の思っている事も、何一つ分からないのよ。
……そこで月がやっと振り返ってくれた。
月の言葉に何の反応も示さない私を、不思議に思ったのだろう。
でもその瞬間、月の表情が曇った。
それは私の瞼から落ちてきたこの雫のせいかもしれない。
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