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「それなら、あなたが愛してあげて。子供としても、大人としても」
「法が私を許しても、私が私を赦せない」
「自分に厳しいのね。まあ、あなたには辛いと思うけど、この子の養育以外にもまだたくさんいるはぐれティオの救出を手伝ってもらうわ。ティオもそれでいいわね?」
「あ、はいっ」
「しかしですね、私は……」
「もう言い訳はきかないわ。ティオはもちろん、ほかの天使に養育されたくないわね?」
「はい。ぼく……イグノトルさまのそばがいい。好きになってほしいって、言わないから、ぼく……」
そっと、見上げてきた不安そうな瞳に、微笑みを返す。
「言ってもいいよ」
「え……っ」
「国王、この子の養育、どうにか……やってみます」
「ありがとう。こうしてひとりずつでも解決していきたいの。わたしひとりの力ではどうにもならないのよ」
「ティオの不法所持については……」
「誤解だったわ。不快な思いをさせてごめんなさいね」
「国王さま、ぼく……」
「ただ養育してもらうだけじゃなくて、イグノトル医師のこと、助けてあげてね」
「はいっ」
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