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(…ううん…その時は、もっと…)
凛は胸に秘めたものを抱き締めるように、
ギュッと胸元に手を置くと「…平助君」と口を開いた。
…しかし──…
「あっ!いたいたっ!りーん~っ!!」
突如辺りに響いた、
聞き覚えのある声音。
振り向けばそこにいたのは、
案の定──…
「白雪姐はん…!?」
女子にも関わらず、
大胆にも手を大きく振りながらこちらに向かって走ってくる「白雪」。
…そしてその後ろには何故か、
「左之助」と「新八」までいる。
「…は?なんで、左之と新ぱっつぁんまでいんの?」
同じくそれに気付いたらしい平助もまた、
目をぱちくりと瞬きさせて驚いていた。
「凛~っ!やぁっと見つけたぁ~っ!」
「わわっ!ね、姐はん…!?」
側に来た途端思いっきり抱きついてきた白雪に、
凛はただ戸惑うしかない。
「もうっ…一体どこに行ってたの!?すっごく心配したんだから…!」
「…姐はん…。」
泣きそうな表情で抱き締める白雪に、
胸がギュッと締め付けられる。
…凛はそっと白雪の身体を抱き締め返して告げた。
「…姐はん…心配かけて、ごめんなさい…。」
凛の言葉に、
白雪はそっと顔を上げると…
いつものように優しい微笑みを浮かべてくれた。
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