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すると、
白雪がそんな彼女に声を掛けた。
「凛~!そろそろ帰ろ~?」
「あ、へぇ!」
慌てて返事をする凛。
「白雪ちゃん、送ってかなくて平気か?」
「大丈夫ですよ、すぐそこだから!」
「最近物騒だからな…気をつけて帰れよ?」
「うん!…ありがとう、原田さん、永倉さん!」
そんな会話を白雪達がしている一方で、
平助は再び凛の頭を撫でて言った。
「お凛、“桜さん”に会ったら…よろしく言っといてね。」
その言葉に、
凛が顔を上げると…
彼は優しい微笑みを浮かべていた。
「凛~?行くよ~?」
少し先で、
白雪が手招きで自分を呼んでいる。
「…………。」
『 ゆっくりと時間をかけた方が、その分楽しいし…もっともっと色んな事を知って成長出来ると、そう思わない──…?』
じっとこちらを見つめたまま動かない凛。
平助は不思議そうに首を傾げる。
「…?お凛、白雪さんが呼んでるよ?早く行かないと──…」
すると次の瞬間…
グイッと襟元を引っ張られたと思えば、
柔らかな感触を頬に押し当てられた。
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