凛と桜の木

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  「「「…………!?」」」 その場にいた全員が、 愕然と言葉を無くす。 …平助に限っては、 まるで石になったかのように目を見開いたまま、 ぴしりと硬直していた。 しかしそれは一瞬の事で… 凛はすぐさま平助の頬から「唇」を離すと、 静かに口を開く。 「…うち…色んな事を知って、ゆっくり“大人”になる。」 そして、 赤く染めた頬のままふわりと満面の笑顔を浮かべて告げた。 「そんで、いつか…白雪姐はんや桜姐はんよりも綺麗になって、絶対に平助君を振り向かせたるから!」 …その笑顔は、 何故かあの「薄紅の花」を連想させる「彼女」の笑顔と重なって見えて… 不覚にも平助は、 ドキンと心臓が高鳴ってしまった。 凛はにっと悪戯っ子のように笑うと、 白雪のもとへと走って行く。 …真っ赤な顔で硬直しきっている平助に、 左之助と新八は──… 「…あー…平助、お前…。」 「…まさかの“幼女趣味”だったんだな…。」 「…って、違うからッ!!」 後ろでギャーギャーと言い合う三人組をよそに、 凛は満足げな表情でウキウキと帰路を進む。 そんな彼女を、 隣を歩いていた白雪はちらりと一瞥すると… 静かに声を掛けた。  
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