凛と桜の木

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  「ねぇ、凛?」 「?はい?」 「凛の“好きな人”って…藤堂さんだったんだね?」 白雪の言葉に、 凛は目を丸くすると… 頬を赤く染めて嬉しそうに頷く。 そんな彼女を微笑ましく思いながら、 白雪は続けた。 「ふふっ…そっか!頑張ってね!応援してる!」 笑顔でそう言った白雪を凛は見つめると… ポツリと小さく呟く。 「…姐はん。」 「ん?」 「…“恋”って…苦しいんやね。」 凛の言葉に、 白雪は目を見開くと… やがて優しく微笑んで言った。 「…そうだね。でも…同じくらい、“幸せ”な事もたくさんあるでしょう…?」 凛は目を見開いて、 小さく「…幸せ…」と呟くと… その手に持ったままの「桜の簪」に視線を落とす。 …確かに「恋」は苦しくて、 辛くて悲しい事もたくさんあるけれど──… 『“桜”と言ったら“お凛”でしょ?』 『安心する』 『ゆっくりでいいんだよ』 『桜さんらしい花だなって』 『凄くよく似合ってるよ』  
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