151人が本棚に入れています
本棚に追加
「ねぇ、凛?」
「?はい?」
「凛の“好きな人”って…藤堂さんだったんだね?」
白雪の言葉に、
凛は目を丸くすると…
頬を赤く染めて嬉しそうに頷く。
そんな彼女を微笑ましく思いながら、
白雪は続けた。
「ふふっ…そっか!頑張ってね!応援してる!」
笑顔でそう言った白雪を凛は見つめると…
ポツリと小さく呟く。
「…姐はん。」
「ん?」
「…“恋”って…苦しいんやね。」
凛の言葉に、
白雪は目を見開くと…
やがて優しく微笑んで言った。
「…そうだね。でも…同じくらい、“幸せ”な事もたくさんあるでしょう…?」
凛は目を見開いて、
小さく「…幸せ…」と呟くと…
その手に持ったままの「桜の簪」に視線を落とす。
…確かに「恋」は苦しくて、
辛くて悲しい事もたくさんあるけれど──…
『“桜”と言ったら“お凛”でしょ?』
『安心する』
『ゆっくりでいいんだよ』
『桜さんらしい花だなって』
『凄くよく似合ってるよ』
最初のコメントを投稿しよう!