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12階へエレベーターで上り、経理の担当者へ資料を渡して部屋を出た。
すると背後でドアが開く音がした。
森崎課長だった。
「二名さん」
「はい」
そういえばあの日から初めて言葉を交わすのだった。
「この前は迷惑かけて申し訳なかった」
「いえ、大丈夫ですから。そのことは忘れてください」
それから森崎課長は給湯室へ手招きした。
「澄川が帰ってきたって?」
「はい、今朝挨拶を。ああ、でも一時帰国で、すぐに戻られるそうです」
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