第4話

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翌日、ホームページで調べた不妊専門病院に電話で予約を入れました。 自宅からはバスと電車を乗り継いで1時間以上もかかります。 仕事の予定を書き込んだスケジュール帳を片手に予約を入れたのですが、 予約が取れたのは3週間後でした。 クリニックは大変混んでいました。 診察を希望する新規の患者さんが大変多いそうです。 仕事の都合がいい日に、という甘い考えは通用しませんでした。 私の場合も、本来ならもう少し先の診察になる予定でしたが、幸いなことにたまたまキャンセルが出たそうで、予約を入れていただくことができました。 インターネットでたくさんの情報を仕入れ、 「善は急げ」 とばかりに勢いづいていた気持ちは、出鼻をくじかれた形になり、拍子抜けしてしまいました。 一方で、 これが現実なのだ、 と恐ろしさも感じました。 今まで何も知らずになんとなく自然妊娠を待ち、ひょっとすると知らずに過ぎていったかもしれない世界が私を待っていたのです。
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