アルパカ王子

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放課後、裏門を通り近道をして帰ろうと肩からカバンを提げ校舎の裏に向かった僕は、とんでもない物を目撃してしまった。 「……」 目の前に白いアルパカが居るんですけど。 アルパカってこんな所に居る物なのか? 野良アルパカ? 僕の頭よりちょっと上にあるアルパカの顔が、無表情に僕の顔を見つめている。 こういうのってさ、先生に報告するべきなのかな。 ほら、学校の敷地内に猫や犬が入り込む事があるじゃん? さすがにアルパカは僕も初めて見たけど。 「とりあえず職員室だな」 ポツリと呟いた僕の声に、アルパカがフルフルと首を振り。 「ちょっと待って!」 モゴモゴと口を動かして喋った。 知らなかった、アルパカって日本語話せるんだ。 「お前、同じクラスの葉風(はかぜ)だろ? 後2、3分待って! そしたら戻るから!」 同じクラスにアルパカは居ただろうか、なんてのんびり考えていると、目の前のアルパカから白い煙が上がる。 そしてボンッという効果音と共に、そのアルパカが人間の姿に変化した。 .
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