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「それで、さっきの話なんだけど……」
「アルパカ? 誰にも言わないよ、言っても信じてもらえないだろうし」
シェイクのカップを掴もうと伸ばした手を有田君にガシッと掴まれて「ありがとう!」と頭を下げられる。
「こちらこそ、奢ってもらってありがとね。別に物で釣って口止めしなくても誰にも言わないのに」
「そういうつもりじゃ……あるか。ごめん」
何で有田君が謝ってるんだろう。
謝るのは僕の方かも。
そこまで他人に知られたくない秘密を僕に知られちゃったんだもんな。
何か悪い事しちゃったみたいだし。
「実は俺、生まれた時から呪われてるんだ。アルパカに変身する呪いがかけられてる」
「前世でアルパカを虐めたとか?」
「それならまだ甘んじて受け入れるよ! この呪いは親父の所為なんだからな!」
聞かれたくない話だろうに有田君が大声で叫ぶから、僕の方が周りを気にして「しぃー」と口唇に人差し指を当てた。
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