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「発動条件は、俺が恋心を抱いた相手に触れる事」
「という事は有田君、好きな人が居るんだ」
図星を突かれた有田君の顔が真っ赤に染まり、メガネの奥の目が泳いでいる。
有田君はカッコイイし人当たりもいいからモテる。
女子の間では『王子』とか呼ばれているし。
それなのに彼女が居ないという噂は僕でも知っていた。
「同じクラスの、成田さん……」
「成田さん?」
「委員会で一緒になって、最近よく話すようになったんだ。それで、まぁ……いいなって……」
ふむふむ、成田さんねー。
成田さんとは当番が一緒になった事があるから知ってる。
肩までの長さの髪に、よく笑う明るい女の子だ。
「んじゃ、告白するの?」
「無理だろ、俺、アルパカだし」
力無く息を吐いた有田君が、ガックリと項垂れてしまった。
確かに好きな人に触れてアルパカになってしまうなら、付き合うとか難しいのかも。
何とかならないのかな?
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