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「昔、占い師にこの呪いの正体を調べてもらった時に言われたんだ。恋心を抱いた相手にアルパカごと受け入れてもらえたら、呪いは解けるって」
「じゃ、成田さんにアルパカの事をバラす?」
項垂れたままの有田君がフルフルと首を横に振る。
「呪いの事は言えない。他の人にバラされたら騒ぎになるし……」
「諦める? そして有田君は一生独身で寂しい老後を過ごすの?」
「それは嫌だ……」
寂しい老後をリアルに想像したのか、有田君が両手で頭を抱えた。
乗りかかった船だ、仕方ないな。
「解った、協力するよ。つまり成田さんに呪いの話をしないでアルパカを好きになってもらえばいいんだよね?」
「協力って……まじで?」
「このまま有田君が寂しいアルパカ人生を送るのは可哀想だもん。大した事は出来ないかもしれないけど」
協力を申し出た僕に有田君は再び僕の手をガッシリ掴んで。
「ありがとう! 葉風ってあんまり話をした事無かったけど、いいヤツだな」
キラキラと期待に満ちた瞳を向けた。
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