アルパカ王子

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「ねぇ、何? 何でアルパカアピールしてるの? ねぇ、何で?」 どうやら有田君はアルパカ推しをした僕を怒っているらしい。 成田さんと話をする僕に嫉妬したとかじゃないみたいだ。 「いや、成田さんがアルパカ好きだったら、何の問題も無いじゃん? そもそもアルパカになれる人なんて滅多に居ないんだぞ? ここはアルパカを推していかないと」 「アルパカは推さなくていいんだよ!」 「え、そうなの?」 もし成田さんがアルパカ好きで、彼氏がアルパカになったら幸せなんじゃないかな? 何かお得感があるよね。 「ここはもう有田君もアルパカを受け入れていこう。アルパカになる本人が受け入れてなかったら、恋心を抱いた相手も受け入れてくれないよ」 「だからって……アルパカの話はあまりしたくない」 「大丈夫、テレビで観たアルパカより有田君アルパカの方が可愛かったから」 『可愛かった』という言葉に反応した有田君の頬が、恥ずかしいのかピンク色に染まる。 さすが『王子』とか呼ばれてモテてる人は違うな。 アルパカじゃなくても可愛かった。 .
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