‘７６ Ｆ―１グランプリ・イン・ジャパン

公式練習

　前日の晩に会場入りしたぼくたちは、親子並んで車中泊。一家四人（両親に、ぼくと弟）が「川の字＋一本」になって、乗用車の狭い車内で夜を明かす。
（まだこの頃は、「ミニバン」なんて、そんな言葉すら無かった。「商用バン」はあったけど、「ワンボックス」すら存在したかどうか？）。
「グランチャン」の時もそうだが、我が家のように遠方からの観客は、前の晩から会場入りする人も大勢いた。決勝レースを控えたサーキットは、すでに前夜から、静かな盛り上がりを見せるのだ。
　夜中に親兄弟の上を乗り越えて、車外のトイレに行ったり…朝の公式練習。レーシングカーの爆音で目覚めたり…と、今となっては良い思い出だ。「グランチャンは雨が降る」というジンクスも、、ぼくがフジに通い出した頃から聞かれなくなっていた。
（タイヤのせいなのかどうか？　雨が降ると、車重の軽い２リッター・レーシングカーより、混走だったツーリングカー「フェアレディーＺ」の方が速いのだ）。
　雨にたたられたレースは、ほとんど無かったのに…。

公式プログラム