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「夫はその時、何かしていましたか?」
「・・目撃者によると、携帯を見ていたそうです」
「夫はその携帯で何をしていたのですか?」
「それは・・」
悲しい顔をする刑事。
それでも彼女は続ける。
「その携帯に表示されていたのは・・私からのメールですか?」
今にも泣き出しそうな顔で見つめられた刑事は、思わず目を逸らしてしまう。
そして、そのまま黙ってしまった。
「そうですか。こうなったのは、私のせいだったのですね・・」
何も言わないことが、彼女にとっては肯定と同じだった。
彼女はその場で泣き崩れる。
静かだった霊安室に彼女の泣き声だけが響き渡った。
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