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ゆとside
「りょう、俺ちょっと飲み物買ってるからゆうりのこと見ててくれる?」
「おうっ…」
「ありがと。行ってくるね」
病室にりょうを残し、俺は屋上へとふらふらと向かった。
「…もうだめだよ…だいき…」
だいきがいなきゃ、もうゆうりは戻らないよ…俺にはもう、何も出来ないよ…
「だいき…」
上を見上げると、空はとても綺麗だった。まるで、だいきが笑ってるみたいに。じんわりと目から涙が溢れた。
「…助けて…だいき…」
空に向かって、必死に手を伸ばす。
「ゆとっ…ゆと…」
「ふうっ、ぅ…」
りょうが荒々しい呼吸をしながら俺を抱き締めた。暖かくて、余計に涙が出た。
「…俺一人じゃ何も出来ないよ…ゆと…」
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