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「ゆうり、大丈夫?」
今日はずっといると言ったりょうと、ゆうりの目が覚めるのを待った。ゆうりが目が覚めたのは、二時間後。
「…今日は、帰っていいよ…」
「え…?」
「…かえって…いいから…」
こちらを向いて、ゆうりは微笑んだ。
「…少し、一人になりたい…」
「でもっ…」
「りょう…」
「ゆと…?」
「帰ろう、りょう」
どんな時でも一人にしないでと言ったゆうりが、一人になりたいなんて。それは相当な覚悟だ。答えは帰る以外にあり得なかった。
「…明日、また来てくれる…?」
「勿論だよ。絶対来るから」
「…ありがとう…」
「…何かあったら、すぐ電話してね…?」
心配そうに、りょうはゆうりの髪を撫でた。こくんと頷いたゆうりに手を振り、俺らは病室を出た。
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