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帰り道、俺の頭の中はゆうりのことばかりだった。
「ゆと」
「…」
「ゆと」
りょうに腕を掴まれ、思わず足が止まる。りょうは足を止めて、掴んでいた手を離した。
「気になるんだろ？ゆうりのこと」
気にならないわけがなかった。病室を出る時に見たゆうりの表情が頭から離れなかった。
「行ってこいよ。ゆうりの所」
「…でも、ゆうりは一人になりたいって…」
「なぁゆと」
肩を優しく支えられ、りょうはまっすぐな瞳で俺を見た。
「ゆと。お前、まだ気付かないのか？」
「…気づかない？」
「何も分かってないよ。ゆとは。鈍感すぎるよ」
その言葉は、前にもりょうに言われた。何も分かってないと。だけどりょうはその答えを教えてくれなかった。
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