最終章

7/11
前へ
/191ページ
次へ
「…だいの所…行きたい…」 ポツリと呟くゆうりは、もう暴れることはなく、寧ろ俺に身体を委ねていた。もう体力が限界なんだろう。 「ねぇ、ゆうり」 抱きしめていた腕を解き、ゆうりの前に移動する。 「俺さ、その…好きなんだっ…ゆうりのこと…」 「…え…?」 俺は狡い。だいきを求めている時に、こんな言葉をかけるなんて。俺は狡い。俺は醜い。 「…ぼくはだいが…」 「知ってるっ…知ってる…それでもいいから、ずっとだいきのこと思ってていいからっ…俺は、逃げ場でいいから…」 「…ど、して…そんなの…ゆとが…」 「…だいきの分まで俺が幸せにしたいっ…」
/191ページ

最初のコメントを投稿しよう!

315人が本棚に入れています
本棚に追加