第1話

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お店のドアに手を掛けた時、携帯が鳴った。 「あ。わり、ゆうりだ。先入ってる?」 「いいよ、待ってる」 ごめんと手を合わせて、俺は電話に出た。 「もしもし?ゆうり?」 俺の耳に入ってきたのは、男の子の泣き声。そして、ゆうりの震えた声だった。 「おい、ゆうりどうした?」 「…きゅ、きゅ…しゃ…」 ただひたすらそう言い続けるゆうりに、なんとか場所を聞き出して俺はすぐに電話を切った。 「りょうっ…やばいことになった」 「えっ、ちょっ、ゆと!?おい!!」 俺はひたすら走り続けた。
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