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お店のドアに手を掛けた時、携帯が鳴った。
「あ。わり、ゆうりだ。先入ってる?」
「いいよ、待ってる」
ごめんと手を合わせて、俺は電話に出た。
「もしもし?ゆうり?」
俺の耳に入ってきたのは、男の子の泣き声。そして、ゆうりの震えた声だった。
「おい、ゆうりどうした?」
「…きゅ、きゅ…しゃ…」
ただひたすらそう言い続けるゆうりに、なんとか場所を聞き出して俺はすぐに電話を切った。
「りょうっ…やばいことになった」
「えっ、ちょっ、ゆと!?おい!!」
俺はひたすら走り続けた。
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