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小さいおじさんが泣いています。
ぼくはビックリしました。何か悲しいことを言ってしまったのかと不安になりました。
小さいおじさんは昔はスクナヒコナという神様で、偉いのに「生涯現役」とかで、今でもはたらいている先輩です。
「あそこに河童がおるじゃろう。あの河童も昔は畏れられ敬われたのに、今では誰も信じんわい。
そこで考えたのが『宇宙人』という新しい妖かしに化けることじゃ。
お陰で今は、たくさんの人間を驚かしておるわ。何事もアイデアじゃのう。
ワシも昔話に出てくるほど有名じゃったが、河童を見習って『小さいおじさん』という妖かしでデビューしてるわい」
小さいおじさんが指導してくれました。
ちょっと自慢が入っていたけれど、すごくタメになりました。
「それで坊は、何の術が使えるのじゃ?」
小さいおじさんがぼくにききました。
「はい、変化の術がつかえます」
そう言って、ぼくは木の葉を頭にのせました。
「あれま、木の葉を使うのかい? 昔の化け狐は髑髏を使っていたけどね」
お母さんがドクロを頭にのせて変化していましたが、お母さんの大事な物なので、ぼくは木の葉を使っているのです。
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