3人が本棚に入れています
本棚に追加
あんちゃん目線になります
怜一郎さんは、今日もいつも通りの時間に帰ってきた。
「お帰りなさい!お疲れ様!」
「ああ、ただいま」
そう言って、怜一郎さんはあたしの頭を撫でてくれた。
そして、そのままスッと髪を梳く。
「・・・あんは、髪サラサラで綺麗だよな」
そう、なのかな?前にありすちゃんにも言われたような、言われなかったような。あたしは、別にそんな事ないと思うんだけど。
「どうしたの?唐突にそんな事」
「いや、あんは髪長くても似合うだろうな、と思っただけだ」
一時期、髪を伸ばしてたこともあった。けど、
「長いと手入れが大変だし、色々面倒だからねー」
本当は、あんな風にお父さんがいなくならなければ、髪は伸ばしていたかった。
やっぱり、ロングでストレートの髪は女の子の憧れだと思う(今ストレートは関係ないけど)。
そんなあたしの気持ちが分かったかのように、怜一郎さんはにこりと笑う。
「俺は、どんな髪型の、どんなあんでも好きだけどな」
「なんでそーゆー事サラッと言えるの?」
フォローしてくれたにも関わらず、あたしは可愛くない返事を返す。
なのに怜一郎さんは、
「あんが可愛いからに決まってんだろ。・・・まぁ、俺の家に嫁いだんだから、手入れは心配するな。髪を伸ばしたければいくらでも伸ばせ。・・・紫式部くらいにな」
そう言って、にやりと笑った。
途中まではかっこよかったのに、最後の最後で
「怜一郎さんのばかー!」
と言ってしまうような事言わないでほしい。
・・・でも、これからは、髪伸ばしてみようかな?
最初のコメントを投稿しよう!