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「では、次に京平君ー。」
「はい。」
先生に名前を呼ばれたので返事をして前にでた。先生は全員名前で呼ぶみたいだ。
「ではこの機械に手を置いてくださいー。後は勝手に読み取ってくれるのでー。」
京平はそう言われると、目の前のテーブル型検査機に手を置いた。
「んーっと、京平君の魔力は、350・・・えっ?さ・・・35だね、頑張ってね・・・」
ザワザワ ザワ
教室がざわめく。そう、彼は一般的に言われる落ちこぼれだった。
聞いたかよあいつ、35だって、ありえないな
ぷっ35って、幼稚園生でも持ってるわよ
よくこの中学校にこれたな、35とか
そんな声がちらほら聞こえる中、京平は自分の席に戻った。
中学生の平均魔力は700~800。
平均の20分の1程度しかないのだ。
(はぁ、やっぱりこうなるのか、まぁそうだよなぁ・・・)
京平は自分の魔力を知っていた。小学校高学年になって家にあった魔力検査機をいたずらした時にこの事実を知ってしまったのだ。
小学校では魔力を使う授業等なかったので、馬鹿にされることはなかったが、京平はこうなることがその時から予測出来ていた。
カケル
「じゃ、じゃぁ次ー。翔君ー。」
(あれ?翔もこの学校だったのか、下ばかり向いてたから気がつかなかった。)
翔と呼ばれる少年は小学校の4年生から同じクラスで、これといって仲がいいわけではなかった。多分、翔も京平がいることに気付いてなかったのだろう。
うおおおぉぉすげえぇぇぇ
まじかよ、さっきの奴とは全然違うな
よく見るとイケメンじゃない?なんだかいいかも・・
そんな黄色い声も聞こえてくる彼の魔力は1200だった。高校生低学年の数字だったのだ。
(翔はそんなにあるのか、いいなぁ。俺なんて35。しかも小学校から変わってないなんて・・)
そう、魔力は普通成長に合わせ、だんだん増えていく。それなのに京平の魔力は全くに増えてなかった。
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