642人が本棚に入れています
本棚に追加
/35ページ
描こうと、じっと顔を見ていると…何故だか相手の感情まで流れ込む気がして笑顔なのだか泣き顔なのだかわからなくなる。
「良かったー、隆先輩にも弱点があるんだね」
あまりに嬉しそうに美紀が言うので、僕は笑うほかなかった。
ショートカットに大きな目、美紀は後輩の中でも一番可愛い女の子だ。
「僕なんて弱点だらけだよ。面白い事も言えないしさ」
「もう、そこがまた良いんですよ。隆先輩は」
フロアを歩きまわりながら美紀が呟いた。
公平はつまらなそうにその姿を見ている。
美紀は確かに可愛いけれど、友人の恋心の方が僕には大切なのだ。
「あっ!そうだ、行かなきゃいけないとこがあったんだ。悪いけど公平鍵の返却頼めるかな」
「おっ…おお、良いよ後で鍵返しとく」
最初のコメントを投稿しよう!