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「昨日、安西先生の処へ顔出したから。その時に聞いたのよ…期待してるって柴崎くんの事」
「えっと…坂田公平の事は?」
「ごめんなさい…」
公平はバツが悪そうに僕を見る。
「違うのよ。偶々私が先生の部屋で柴崎くんの絵を見つけて聞いただけよ」
「あの、私達の先輩…って事ですか?」
「そうね…そんな感じ。ねえ、場所を変えない?」
彼女が周りを見渡してそう話す。確かに図書館で会話を続けるのはいただけない。
聞きたい事は沢山あったし、描かせてくれるのかも教えて欲しかった。
図書館の近くのカフェにみんなで歩いた。なぜだか彼女の横には美紀がいる。
公平と僕は黙ってその後ろを歩く。
僕らは冷たい珈琲で、彼女は温かいカフェオレを注文した。
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