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「それにしても仲が良いのね、君たち」
「そうなんです。俺が居ないと女性に声すら掛けられない情けない奴ですけど…良い奴なんです」
「もう、余計な事しか言わないよな…公平って」
彼女の差し出したメモに携帯の番号を書いた。
「あーじゃあ、俺も書こうっと」
そんな事を言いながら、公平はメモを取り上げて自分の番号を書きだした。
「なんでお前が書くんだよ…」
「良いじゃんか、そんな事」
「それじゃ…私から連絡するわね。よろしくね、隆くん」
目の前に立った彼女は、頭一つ僕より低かった。にこりと微笑み右手を差し出す。
僕は慌てて手の汗をジーンズで拭って、その手に触れた。
柔らかくて…心持ち冷たい肌が印象的だった。
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