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「どうして……」
まさか今頃…しかも、美紀からティアドロップのネックレスを渡されるとは思わなかった。
十年も昔の想い出…けれども、今も鮮明に僕の記憶に残っている。
「あの時…どうしても言えなかったの。それが彼女との約束だった」
「隆、俺も後から聞かされたんだ。お前にきちんと伝えないと、俺たちも肩の荷が下りない」
あの夏が終わり…僕は大学を辞め一人で東京へ逃げ込んだ。
今にして思えば僕はただ幼くて、もう誰にも会いたく無かっただけだ。
公平とも美紀とも、それ以来会うことは無かった。
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