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大学時代の友人とは、連絡を取り次がない様に頼んであった。
僕が頑なである事を知っている家族は、これ迄ずっとその通りにしてくれた。
それは、僕が大学を中退した事への負い目だと思っていたのかも知れない。
ただ、流石に結婚式の招待状が届いてしまえば話は別だ。
そうして僕は、懐かしいこの町に戻ってきた。
僕の知らなかった真実が…美紀の口から語られた。
「許してくれる…?隆くん…式の前に、どうしても話しておきたかった…」
「そうか、そうだったのか。悪かったね…美紀ちゃん」
僕の胸が押し潰されそうに痛んでいる。あの夏の暑さや海風の匂いや…貴女の笑顔
狡いよ貴女は…
ねぇ…薫さん
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