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「良いんです、隆先輩はそれで…」
「なんだよ、その扱いの違いはさ…結局見た目のいい奴が得すんだよなぁ」
美紀は公平に向かって顔の前で人差し指を左右に揺らす。
まるで漫画みたいな仕草に笑えてしまう。
「違うんだなー見た目もですけどねぇ。そもそも公平先輩とは才能が違いますね」
僕は美紀と公平のやり取りを聞きながら、紙の上に鉛筆を走らせていた。
絵描きで食べてゆく事を、夢みて進学した地方の芸大。
「美紀ちゃん、僕にはそんな才能なんて無いよ」
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