プロローグ

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あいつが仕切り役か…? 眼鏡を掛けた、初老の男性。 見た目は頼りなさそうだが、声は落ち着いている。 「今回この会議を仕切らせてもらう、加藤と申します。宜しくお願いします」 加藤と名乗った白髪の男性は浅く頭を下げた。 それに対して俺を含む少数の人が頭を下げる。 加藤は頭を元に戻すと淡々とした口調で話し始めた。 「緊急なので手短に話しますね。今回皆さんに集まってもらったのは他でもありません……」 「囚人の増加の問題……でしょう……?」 俺の二つ右にいる男性が静かに口を開いた。 「そう……そうなんです……皆さんもご存じかと思いますが、ここ最近犯罪の数が増加しています……。今、収監されている犯罪者の数は例を見ません…」 加藤はしっかりと、しかし焦ったかの様な声を出した。 その額には僅かだが脂汗が光っている。
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