第7話

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「感激してるところ悪いけど、いい? この先200m進んだら十字路があるから、それを左折してさらに100m、その後今度は右折するとハッチがあるわ。そこを昇れば紫条家西館と本館の中間あたりの森に出られるから片山さんはそれで本館に戻って」  そういうとサクラは「もうこれはいらないから返して」と斧を受け取り代わりに宝箱を手渡した。中はトラップ用の爆弾だ。この中に逃げ込む際、サクラは入手しておいたトラップ宝箱を手榴弾がわりに使用し、狂人鬼たちの接近を防いでいた。爆発力は小さいが目くらましにはなる。 「おいおい。君はどこに行く?」  二人は歩きながら話し続ける。 「ちょっと別の場所に。運がよければ3時くらいには本館に顔出すかもしんないから」 「面白そうだな。俺もそっちに行こうか?」 「ダメ」 「なんで?」 「片山さんは食料を届け住宅地の惨状を皆に知らせるって役目があるでしょ? あたしの方についてこられたら困るの」  サクラはそういうと、片山の腕にある腕輪を指差し今度は20mほど先の天井にある自動カメラを指差した。 「こんなところにカメラがあるのか!?」 「テレビ局のか<サタン>なのかはわからないけどね。あたしは腕輪を外したから認識されないけど、片山さんが一緒だと認識されちゃう。一応あたしは<サタン>たち欺いて隠密行動中だから認識されたくないの」 「なるなどねぇ」 「ちなみにこの地下施設は、今更言うまでもないかもしれないけど<死神>たちのホームグラウンド…… あたしたちが嗅ぎ回っているとわかったら<死神>たちはすぐにでも殺しにくるわ。貴方が死ぬだけならいいけど」  それによってサクラの行動が制約され、余計な戦闘をする羽目になるかもしれない。それは困る。 片山はサクラの意思を理解した。 「了解だ。サクラ君には命を助けてもらったから今回は言うことを聞くとしよう」  やれやれ、と苦笑する片山。その時、微かに聞こえた銃声に二人は足を止めた。音は外からだ。  片山は大森が銃を使ったのかと思い振り返ったが、サクラは違う方向を見ている。 「大森じゃない。拓でもないな」  銃声での銃の種類の判断はサクラの方が銃に慣れ親しんでいる分確実だ。 「じゃあ何かな」 「東館の方ね。この島は静かで音はよく響くし…… だけど東館にいたのは<こんぴら>の二人くらいじゃなかったかな?」 「<死神>じゃないのか?」
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