第7話

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「銃が小さい。<死神>の銃はみんな最低9ミリ以上だけどこの音はもっと小さい拳銃の音。他に誰か銃を持ってた? ついでに誰に発砲してる?」 「いや、わからん。<こんぴら>の二人も生き残っていたのか」 「可能性でいえばあの狂人鬼を撃退してる…… だとしたらついに紫条家の敷地に奴らが入ってきたって事になる。と、したらそれは問題発生その1。もう一つの問題発生は、誰かは知らないけど銃で武装してるって事。この島で銃を持っている人間は限られているはずなんだけど」 「2丁も銃を持っているお嬢ちゃんがいうかね、それを」  片山は苦笑する。  そうこうしている間に銃声は止んだ。  再び二人は歩き出す。 「ところでサクラ君。君は今いくつ十字架を持っている?」 「持ってない」 「持ってないのか? ナカムラ捜査官はきっと君たちは十字架をかなり所持していると言っていたんだが」 「ちょっと言葉の意味が違うのかな。確かに色々歩き回って宝箱はかなり回収したけど持ち歩いてないだけ。あんなの持っていても邪魔なだけだもん」 「ひょっとして君はセカンド・ルール、サード・ルールを知らない?」 「ナニソレ?」  答えて、サクラはすぐに片山の質問の意味と自分の返事の意味を理解した。そういえば定時にサタンから放送があったが、結局サクラたちは地下探検に熱中していて見ていない。どうせ拓が録画しているはずだし、片山たちが食料を取りに行っていたのでそのことだと勝手に判断していた。だが片山の様子を見ると、どうやら十字架も重要な要素のようだ。 「手短に30秒以内で」 「了解、お嬢ちゃん」  片山は癖なのだろう、キザったらしく一笑すると、キッチリ30秒でサタンの課したセカンド・ルールとサード・ルール、そして残るルールがフォース・ルール、ファイナル・ルールがあることを説明した。サクラはそれを顔色変えることなく聞いた。  聞き終わった後、数秒サクラは沈黙した。  そして、その説明を聞く前となんら変らぬ表情でサクラは言った。 「とりあえず片山さんは本館に戻って食料を届けて拓の指示に従っていればいいわ。あたしはあたしでやることあるから」  片山にはサクラが何を企んで動いているのか想像もつかない。そしてサクラはそれを説明する様子もない。  やがて二人は十字路に到着しそこであっさり別れた。双方心中に複雑な考えを張り巡らせながら……
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